日本の食生活から、世界の「食」の問題を考える。
「世界食料デー」月間2017 10/1-31

教員 多摩市立大松台小学校
濱田会美さん

vol.22インタビュー

多摩市立大松台小学校の先生として、世界の食の問題を学習テーマに取り上げ、子どもたちの理解を深める取り組みを行っている濱田さん。「世界食料デー」月間のチラシも、毎年授業で活用してくださっているとのこと。食の問題を取り上げるようになったきっかけや、子どもたちの反応などについて、話をうかがいました。

世界とのつながりを伝えたい

大学時代では国際関係学科に所属し、南米の歴史や貧困の問題を学んだという濱田さん。学生時代から南米や中東の国々を訪れ、その国の人々と触れ合う機会がありました。「9.11が起きたとき、メディアが伝えるイスラムのイメージに違和感を持ちました。私が海外で出会った人たちの印象や、その時に感じた世界とのつながりを子どもたちに直接伝えられたらと思い、教員の道を選びました」と、学生時代の経験が、小学校の教員をめざすきっかけになったといいます。実際に教員になってみると、当時行われていた「国際理解」の授業に物足りなさを感じたそうです。「国旗や1つの国についてただ調べたり、一方的に話すだけの講義で終わってしまったりする授業が多く、 そこに住む『人』が見えないことが気になりました。子どもたちに身近で、世界のことを考えることにつながるテーマは何だろうと探していた時に、食というテーマに出会いました」。

学びを行動につなげるために

その後、ハンガー・フリー・ワールド開発教育協会(DEAR)などの開発教材を参考にしながら、指導内容を模索していったという濱田さん。昨年は「大豆から私と世界のつながりを考える」をテーマに、1年かけてじっくり学びました。「子どもたちに身近な大豆製品を探したり、大豆製品のパッケージに書かれている原材料を確認してもらったりして、そこから見えてくる食料自給率や遺伝子組み換え食品などの問題を一緒に考えました。実際に子どもたちと大豆も育てたんですよ。最初は虫にやられる失敗もありましたが、何とか手のひら一杯の大豆を収穫することができました」。このような授業を通して、子どもたちの様子に変化が見られたといいます。「給食の食べ残しが減りました。残した場合でも、その行き先を気にするようになりました。スーパーで納豆を買う時、『フードロスが出ないように賞味期限の近いものを選んだ』と報告してくれる子もいました」。 子どもたちの学びを行動につなげるには、どうしたらよいでしょうか。「今の子どもたちは早くからパソコンなどに触れて知識は豊富ですが、実感を伴うことが大事だと考えています。思いを持って活動している方をなるべく招いて、話をしてもらうよう心がけています。答えがなかなか出ないような課題だけを次々と提示されては、子どもたちが思考停止に陥ってしまいます。解決に向けて頑張っている人や具体的な解決策も見せていくことが大切ではないでしょうか」。 このような思いのもとで学んだ子どもたちが、食の問題をどのように捉えて育って行くのか楽しみです。

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