「食」の問題の解決に向けて、みんなでアクションする1ヵ月。
「世界食料デー」月間2017 10/1-31

生活協同組合 生活クラブ神奈川
五十嵐仁美さん

vol.19インタビュー

生活協同組合の一団体として活動する生活クラブ。そのなかの生活クラブ神奈川は2012年から毎年、賛同団体として「世界食料デー」月間に参加しています。理事長を務める五十嵐仁美さんにお話を伺いました。

食べ物の裏側にある世界

1989年に生活クラブ神奈川へ加入した五十嵐さん。1993年に「消費委員」という役職に就いたことが、その後の活動に大きく影響したそうです。「覚えている方も多いと思いますが、日本はこの年、まれにみる冷夏でした。お米が不作で、海外から緊急輸入するほどでした。私たちは提携先の山形の生産者からどうにかお米を仕入れたものの、どのように配分するかを組合員で決めないといけなくて。もちろん、たくさん注文したい組合員もいるなか、平等になるよう調整するのがとても大変でした」。

もうひとつ忘れられないことがあるそうです。「生活クラブは山形県の生産者とのつながりが強く、毎年庄内で交流会を行っています。1993年はその20周年記念でしたが、翌年の1994年に交流会に参加したときのことが記憶に残っています。生産者の話を聞くことで、毎日食べている物の裏側にはいろいろな社会問題が潜んでいることを知りました。本を読んだり、学校の授業で学んだりできない何かを、一人の生活者として得られた気がします。今はインターネットで検索をかければ、いくらでも情報が手に入る時代。でも、生活クラブは組合員にとって気づきの場であり、自己実現の場です。何か気になることがあれば持ち寄って、自分たちで調査をし、実際に事業として行ってデータとして蓄積し、それを発信することで社会化していく。個人ではなかなかできないことも、みんなで活動をつくっていくことで、実現できると思っています」。

食について伝え、考えてもらうために

生活クラブ神奈川では、地域ごとに「講座」を開催しているそうです。組合員自ら講師になって、食や暮らしについて知り、考える場を提供しています。そのような場面で何かを伝えるときには、次のように心がけているそうです。「相手に押し付けるのではなく、興味関心を引き出して、それに合せて話していくことが大切だと思っています。そうすれば、私たちが伝えたかったことを、何かのきっかけにふと思い出してもらえるのではないでしょうか」。

また、生活クラブ神奈川で活動するなかで、五十嵐さんの伝えたいことが明確になりました。「提携生産者との交流会に参加するたびに、日本の自給率の低さに驚きました。今の日本は、一年中いつでも欲しい食べ物が手に入りますが、食料自給率は40%で、60%は海外に依存しています。世界の片側で飢餓があり日本は飽食。人として生まれて誰でも平等に生きる権利があるのに、世界の食を奪ってよいのでしょうか?と思っています」。さらに、アジアに住む女性たちが教育を受けられるよう支援するNPOの活動について情報共有する中で、このようにも考えているそうです。「次の世代を担う子どもたちに伝えていくことが必要ではないでしょうか。簡単に使えるようなワークショッププログラムがあるといいですね。飢餓などの世界の現状を悲観的に伝えるのではなく、一緒に考えていくことが大切だと思います」。

生活クラブの活動を通して、長年にわたり食について考え、伝え続けてきた五十嵐さん。今まで行ってきた活動を、次の世代にもつなげていきたいと話してくれました。

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