「食」の問題の解決に向けて、みんなでアクションする1ヵ月。
「世界食料デー」月間2023 10/1-31

「世界食料デー」月間2017 キックオフシンポジウム in 横浜

vol.41イベントレポート

共催:「世界食料デー」月間2017、横浜市資源循環局
日時:2017年10月1日(日)12:30~15:30
場所:はまぎんホールヴィアマーレ

10月の「世界食料デー」月間を盛り上げるキックオフイベントとして、横浜市資源循環局との共催でシンポジウム「考えよう!『食べること』『捨てること』~いま私たちにできることは?~」を開催しました。基調講演の他、食料問題の解決に取り組むNGO/NPO、企業、行政の事例紹介とパネルディスカッションを行い、定員を上回る270名が集まりました。(文責:ハンガー・フリー・ワールド)

さまざまな立場からの取り組み

シンポジウムは横浜市の平原敏英副市長の挨拶からスタート。基調講演では国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所長チャールズ・ボリコさんが登壇しました。世界の食料事情やフードロスが及ぼす影響のほか、フードロスを削減するために家庭で野菜の切り方を工夫したことなど、ユーモアたっぷりに話してくださいました。
事例紹介ではNGO/NPO、企業、行政といった異なる立場から食の問題に取り組む5人の方々にお話いただきました。ハンガー・フリー・ワールド 海外事業マネージャー・地域開発担当の佐藤真美さんは、アジア・アフリカの活動国では5歳未満児の約3人に1人が長期的な栄養不良により発育阻害にあることを指摘。NGOとして、子どもや女性、貧困層など弱い立場の人々に対して地域にある物や人材を活用した支援を行うこと、住民同士や行政と住民のつなぎ役となること、より良い制度を作る働きかけを行うことが重要だと話しました。続いてセカンドハーベスト・ジャパンのパントリーコーディネーター芝田雄司さんが、フードロスになってしまうかもしれない余剰食品を必要としている方に届けるフードバンク活動について紹介。「すべての人がいつでも必要なときに安全で栄養のある食べ物を得ることができる社会=フードセーフティネットが構築された社会」を作る構想を語りました。

私たちにできることは?

事例紹介の後半は、日本に住む私たちにとって身近な取り組みが紹介されました。WE21ジャパン 事務局長の森田夕紀さんは、地域から世界の問題について考える拠点として始まったチャリティーショップを紹介。「卓越した能力を持っている一人が引っ張っていくのではなく、100人の一歩で世界を変えることができる」と話しました。株式会社セブン&アイホールディングス 総務部 資源・リサイクルオフィサーの藤乘照幸さんは、大企業グループとしてフードロスを削減し、循環型社会を実現するために店舗で取り組んでいることを説明。横浜市資源循環局長の尾仲富士夫さんは、横浜市が行っているフードロスの削減のための取り組みを紹介し、「市民や企業の取り組みをつなぐことが行政の大きな役割」だと話しました。
パネルディスカッションでは事例紹介を行った6人が登壇し、参加者からの質問にも答えました。「私たちが無駄をなくすことで本当に世界は豊かになるのか」といった難しい質問にも、「では無駄をなくさないとどうなるのか考えて欲しい。大きな変化も初めは個人の小さな気づきや一歩から」「みんなが食べられるようになることで、社会全体の底上げができる。長い目で見れば豊かになる」といった回答が出されました。
参加者からは、「一人ひとりが意識することで、フードロスを減らす他に、世の中のいろいろな問題を考えるきっかけになると気づいた」「企業、行政、NGO/NPO、個人が情報共有し、共に行動を起こす大切さを感じた」「世界には食べられない人が多いことは知っていたが、何とかみんなが健康に生活できるように、できることがあったら協力したい」などの声が聞かれました。今回のシンポジウムが、「食べること」や「捨てること」をさまざまな視点から考え、解決に向けて行動を起こすきっかけになったようです。

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