「食」の問題の解決に向けて、みんなでアクションする1ヵ月。
「世界食料デー」月間2020 10/1-31

WORLD FOOD NIGHT 2020
第1回:持続可能な食料生産に向けて

vol.50イベントレポート

主催:「世界食料デー」月間2020
日時:2020年10月2日(金)19:00~20:00
場所:Zoomウェビナー

世界食料デーにあわせて毎年開催している“WORLD FOOD NIGHT”の第1回目「持続可能な食料生産に向けて」が10月2日に行われました。今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐためオンライン開催となりましたが、全国各地から173名の方々にご参加いただきました。特に学生を含め、10代、20代の若い皆さまからのご参加が多くありました。
はじめに情報提供として、国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所の田村萌々花が、いま世界が直面する食料生産の現状と課題について解説。飢餓人口の増加、生物多様性の喪失など世界の食料生産事情はより一層厳しくなっており、この現状を変えるためには世界の農場の9割を占めるといわれる家族農家をしっかりと支えること、生産作物の多様化や自然の営みを重視した持続可能な農法により環境への負荷を極力減らしていくことが重要であるとの指摘がされました。

生きものを育み、共生する農業の実践と成果

今回のイベントでは、持続可能な食料生産に向けてアクションを起こしている3名にプレゼンテーションをしていただきました。
最初に、新潟県佐渡市の渡辺竜五市長が持続可能な農業システムの維持・発展に携わる自治体として、佐渡市の取り組みを紹介してくれました。以前、佐渡市のコメ生産は過疎化、高齢化に加え、制度的な制約による生産意欲の減退など厳しい状況におかれていました。そこで「朱鷺と暮らす郷認証制度」をつくり、トキが生きられる自然環境だからこそ経済的に成り立つ農業の在り方を模索。多様な作物を栽培する複合経営の推進や持続可能な農法によって栽培されたコメのブランド化などを手がけました。さらに、地域がFAOによる世界農業遺産としての認定も受ける中、その土地や人々の暮らしの中に根付いたお祭りや文化の継承など、包括的な実践をご紹介いただきました。

持続可能な食料生産に向けた私の取組

次に「小学生のなりたい職業1位を農家にする」を目標に農業プロデューサーとして「マルシェ」を開催している株式会社AgriInnovationDesign代表取締役の脇坂真吏さんのお話を伺いました。マルシェは生産者にとっては少量生産品目を販売でき、売れ残りがほとんどないなど、経済的にもメリットがあり、同時に、買い物に来る消費者も生産者とのコミュニケーションを楽しみ、学びながら食卓を充実させることができる仕組みになっていると紹介。また、都市部だけではなく地方でも同様の試みが可能であることを、北海道を事例に紹介いただきました。義務感から解放され、楽しく関われることが、何よりも持続可能な活動を生み出し続ける秘訣と、モチベーションの重要性をご指摘いただきました。

農業で生きていくには?

最後に、現在東大阪市で都市農業に挑戦している瀬利由貴乃さんに、沖永良部島で島バナナに出会い感動したことが農業を目指したきっかけになったことや、東大阪市やフランスで農業の研修を受けたこと、そして今後の目標ついてお話しいただきました。農家の出身ではない人が就農して生計を立てるためには大きなハードルがあり、新規就農者の3割は5年以内に離農しています。そこで瀬利さんは、今年7月に新規就農者の支援組織「COOL FARMER’s west」を設立。今後は、消費者が代金を前払いして定期的に農作物を受け取る地域支援型農業にも挑戦したいと語ってくれました。現在もアルバイトをしながら農業を続ける瀬利さん、農家が生活できなければ農業の持続可能性は低いとし、今後、消費者の農業への関心が上がることで、非農家出身からの新規就農者が農業を続けられるようになるだろうとご提言いただきました。

パネルディスカッション、Q&Aセッションでは、持続可能な農業に取り組みたい人へのメッセージやヒント、また今後関心のある連携などについて、また参加者からの質問にそれぞれの立場からご回答をいただきました。

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