「食」の問題の解決に向けて、みんなでアクションする1ヵ月。
「世界食料デー」月間2023 10/1-31

ろすのんトリック・オア・トリート

vol.53イベントレポート

主催:六甲アイランド地域振興会
日時:2020年10月1日~31日
場所:神戸市東灘区(六甲アイランド)

神戸の六甲アイランドで1989年以降30年以上にわたり地域で開催されていたハロウィンフェスティバル。日本で最も歴史ある地域ハロウィンイベントであり、例年は地域内外から3万名近くが集まる一大イベントですが、2020年はコロナ禍のため形を変え、初めてハロウィンとフードロス削減を掛け合わせ、さらに世界の飢餓問題の啓発や行動を促す機会として開催。食品企業、地域の飲食店や商店などを巻きこみ、10月1日から31日までの開催で、のべ4000名が参加しました。

伝統のハロウィンに「フードロス削減」などの要素をプラス

2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、ハロウィンフェスティバルの開催自体も危ぶまれました中、なんとか歴史のバトンをつなごうと開催方法を検討。その結果、開催期間を拡大し、参加者が密にならない工夫をしたうえでの開催が決定。さらに、10月に食料や食品ロス削減に関する記念日が多いことから、ハロウィン、フードロス削減、町おこしを掛け合わせた「ろすのんトリック・オア・トリート」企画されました。
イベントを楽しみながら、子どもたちと保護者の間で「フードロス削減」や「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する意識や会話が広がるよう、食料問題に関する啓発チラシの配布や、写真をSNSに投稿することで飢餓問題解決につながる寄付キャンペーンの紹介などさまざまな仕掛けが用意され、イベントがフードロス削減を意識するきっかけになったと参加者の9割以上が回答しました。

コロナ禍で直面した課題と、広がる協力の輪

コロナ禍で余った菓子を譲り受けてイベントに参加した大人や子どもに配布できればと、神戸市内の企業に相談を持ちかけるも難航。理由は、生産調整などフードロスを出さない工夫をしている企業が多いためで、このようなよい動きも知ることができました。それでも、賞味期限の3分の1を過ぎた時点で商品を出荷しない「3分の1ルール」という日本独自の商習慣に当てはまってしまい「フードロス予備軍」になっていたお土産用の菓子や、コロナ禍ということで受注数が減少し納品できなくなった菓子などを神戸市内にある食品企業から提供していただき、スタンプラリーなどの景品として配布しました。
また、対面イベントの開催が難しい中、初めて開催された「第1回ハロウィンサミットfor SDGs」では、日本各地で地域に根ざしたハロウィンを開催する人々がオンラインで集結。そこで、六甲アイランドでの取り組み予定を紹介したところ、すぐさま3つの地域がハロウィンに合わせてフードロス削減の要素を盛り込むなど、取り組みが広がりました。

歴史的に収穫祭がルーツであり、食品との親和性が高いハロウィン。
今後もハロウィンを活用したフードロス削減の啓発活動が他の地域にも波及していくのか、目が離せません。

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