vol.64イベントレポート
主催:国際農業開発基金(IFAD)日本連絡事務所
共催:横浜市立大学学生団体TEHs
後援:横浜市
日時:2022年10月17日 (月) 18:00〜
対面会場:Y-PORTセンター公民連携オフィスGALERIO(横浜国際協力センター6階)
オンライン会場:Zoomウェビナー
この度IFAD日本連絡事務所は横浜市立大学学生団体TEHsに共催、横浜市にご後援を頂きまして、10月17日(月)18:00(日本時間)より、「『世界とつながる食卓』 ~持続可能な『食』について考えよう~」と題してイベントを開催致しました。世界食料デー( World Food Day)月間に基づき、「持続可能な食」について皆様と一緒に考えることをテーマにオンライン/対面のハイブリッドイベント形式で実施し、会場に35人、オンラインで36人の計71人の方にご参加頂きました。(文責:IFAD日本連絡事務所)
【イベント・プログラム 】
0. 冒頭挨拶(IFAD日本連絡事務所)
1. 「みどりの食料システム戦略 -持続可能な生産消費を推進-」(農林水産省)
2. 「エシカル消費の取り組み」(横浜市)
3. 「サステナブル・シーフード提供事業の紹介」(横浜市立大学学生団体TEHs)
4. 「ユーグレナのソーシャルビジネス」(グラミンユーグレナ社)
5. 「IFADバングラデッシュでの活動紹介」(IFADバングラデッシュ事務所)
6. 質疑応答
7. 閉会挨拶
「みどりの食料システム戦略 -持続可能な生産消費を推進-」農林水産省:古田恭子課長補佐
食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現することを目的として作られた「みどりの食料システム戦略」について農林水産省大臣官房みどりの食料システム戦略グループ地球環境対策室の古田課長補佐からご説明頂きました。調達、生産、加工・流通、消費の過程を通して持続可能な生産消費を促進していくことで、雇用の増大、地域所得の向上、豊かな食生活を達成するという戦略の内容を理解することができました。
「エシカル消費の取り組み」横浜市:久保田彩子様
横浜市環境創造局政策課の久保田様より、横浜市が推進するエシカル消費について、わかりやすく丁寧にご説明頂きました。エシカル消費とは、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことで、エシカルな商品を見つけるときに役立つラベルとその意味について一つ一つ紹介があり、私達が日頃の買い物から地球や社会のためにできることを学ぶ貴重な機会になりました。
「サステナブル・シーフード提供事業の紹介」横浜市立大学学生団体TEHs
横浜市立大学学生団体TEHs(テフズ)のみなさんより、大学学生食堂でのサステナブル・シーフード提供事業についてのご紹介がありました。サステナブル・シーフードとは、水産資源や環境に配慮した方法で取られている水産物のことで、サステナブル・シーフードが海の環境や水産資源に対して果たす役割や日本の大学で初の提供事業について、その成り立ちや提供までの過程を説明して頂き、若者が持続可能な食に対して与えられるインパクトについて知ることができました。
「ユーグレナのソーシャルビジネス」グラミンユーグレナ:佐竹右行Co-CEO
株式会社ユーグレナとグラミンクリシ財団が運営するバングラデシュの合弁企業であるグラミンユーグレナCo-CEO 佐竹様より、バングラデシュにおける緑豆(りょくとう)プロジェクトのビジネス展開についてご紹介頂きました。日本で親しまれているもやしの原料である緑豆が、バングラデシュでどのように生産されていて、現地の農業開発や人々の雇用の安定に寄与しているかを理解することができ、とても有意義な時間となりました。会場では実際にバングラデシュで生産された緑豆が手元で紹介され、参加者は興味津々に観察していました。
「IFADバングラデッシュでの活動紹介」IFADバングラデッシュ事務所:阿部シャントヌ職員
IFADバングラデッシュ現地事務所の阿部職員より、IFADがバングラデッシュで行っている活動の紹介が行われました。全世界のIFADの活動の中で最も大きな事業規模を持つバングラデッシュにおける活動について、それらが果たしてきた役割や現地の小規模農家にもたらしたイノベーションなどについて言及があり、普段なかなか接することがない途上国現地事務所の職員から生の声を聴く貴重な機会になりました。また、阿部職員は日本の外務省が運営するJPO派遣制度を通じて国連職員となったため、将来の国連職員が会場から生まれるよう、制度についての説明も冒頭で行いました。
(当日の会場の様子:Y-PORTセンター公民連携オフィスGALERIO)
最後に質疑応答が行われ、各登壇者のプレゼン内容に対して、会場及びオンラインの双方から質問が寄せられるなど、登壇者とのインタラクションが行われてイベントは終了しました。 本イベントには中学生から大学生までの学生が多く参加し、若い世代とともに現在の食料システムの課題、途上国産地の現状や持続可能な食を実現するための展望について考える非常に有意義な時間となりました。また、国際機関、日本政府、地方自治体、企業、学生団体という多種多様なアクターによる講演があり、持続可能な食について、様々な観点から考え、知識を身に付ける貴重な機会となりました。 (報告者:IFAD日本連絡事務所インターン小野寺航大)