「食」の問題の解決に向けて、みんなでアクションする1ヵ月。
「世界食料デー」月間2023 10/1-31

世界と地球の困った現実
-買っているのに捨てている私たち-

vol.08イベントレポート

主催:日本国際飢餓対策機構
日時:2011年7月30日(土)14:00~16:00
場所:JICA兵庫

食べ物を海外からの輸入に頼りながら、その約3分の1を捨てている日本。一方で、今日もお腹を空かして苦しんでいる人は世界中に9億2500万人。私たちの普段の食を通して見えてくるアンバランスな世界について、参加者と一緒に考えました。(文責:日本国際飢餓対策機構)
※「世界食料デー」月間のプレイベント第1回として開催しました

日本の低い食料自給率と大量の食料廃棄、そして世界で起こっている飢餓の現実

日本国際飢餓対策機構・愛知事務所の小島亮子を講師に、ワークショップ「世界と地球の困った現実」をJICA兵庫で実施しました。ワークショップではまず最初に、みなさんの昨日の夕ご飯の絵を書いてもらい、それぞれの材料を書き出してもらいました。その後に一つひとつの材料の食料自給率を書き出し、普段自分たちが食べている食事がいかに海外からの輸入品に頼っているかをそれぞれ実感しました。特に味噌や醤油などは日本食によく使われるので、食料自給率が高いと思っていた人が多くいました。しかしほとんどの大豆は輸入品のため、その食料自給率の低さに驚いていました。

その後にはスライドを交えながら、日本の食料廃棄量、そして世界の飢餓の現状を学びました。日本は食料の約60%を海外からの輸入に頼る一方で、年間約1900万トンを捨てているという現実。しかし世界では飢えで亡くなる人が1日に2万5000人もいるという現実に、参加者のみなさんは問題の大きさを再認識されていたようです。

私たちの食生活と無関係ではない飢餓

参加者のなかからは、「50年前は米と野菜と少しの魚しか食べていなかったのに、今ではパンや肉、乳製品や加工品ばかりを食べている。気がついたら時代の流れと共に食生活までいつのまにか変わってきてしまった」という声が聞かれました。今回のワークショップで食料自給率が40%(2009年度、カロリーベース)にまで落ち込んでしまった理由について考えるなかで、「自分の国さえよければ」という思いで食べ物を独り占めしている日本の食生活を、一人ひとりが見直す良い機会になりました。 当日は高校生、NGO職員、教員など幅広い層から15名が参加。アンケートの中では、「食べたい時に食べたいだけ食べられる私たち。一方で、1日に2万5000人が飢えて亡くなっていく世界。改めて関心を持ち続けなければと実感した」、「食べ物を無駄にせずに感謝をしようと思った」、「まずは現実を知る事が大切だと思った」などの声が寄せられました。なかでも学校の教員の方は「今後生徒にもこのようなワークショップをして、子どもたちにもぜひ伝えていきたい」と意気込みを見せていました。

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