「食」の問題の解決に向けて、みんなでアクションする1ヵ月。
「世界食料デー」月間2020 10/1-31

WORLD FOOD NIGHT 2020
第3回:食品ロス削減に向けて

vol.52イベントレポート

主催:「世界食料デー」月間2020
日時:2020年10月23日(金)19:00~20:00
場所:Zoomウェビナー

登壇者

世界食料デーにあわせて毎年開催している“WORLD FOOD NIGHT”。2020年は3回シリーズで開催していますが、その第3回「食品ロス削減に向けて」が、横浜市資源循環局との共催で、10月23日に行われました。オンラインでの開催で、全国各地から215名の方々にご参加いただきました。
はじめに国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所の田村萌々花より食料ロス・廃棄の現状や削減への取り組みを報告。小売りに至る前までの段階ですでに14%の食料が損失しているといった最新データのほか、食料ロス・廃棄の抑制は飢餓や資源の浪費を抑制するほか、気候変動緩和のカギにもなることなどを伝えました。

楽しく食品ロスを削減、企業価値も高まる

続いて国内で食品ロス削減に向けた活動に関わる3名にお話しいただきました。

最初は横浜メディアビジネス総合研究所コーディネーターの五十嵐洋志さん。横浜市資源循環局との食品ロス削減プロモーション協働事業での取り組みとして、​不要食品の物々交換会や、3つのスーパーで消費期限の迫った食品をPOPなどで可愛く演出して手にとりやすくした企画が紹介されました。ほかに消費期限の迫った食材を持ち寄っておいしく料理してみんなで食べるサルベージクッキングや食品ロス削減アイデアコンテストなどが紹介されました。食品ロス削減は企業価値を高めることや、楽しく食品ロスに取り組める要素がポイントだと述べられました。

買い物をすることが社会貢献に

次は社会貢献型フードシェアリングプラットフォーム「KURADASHI」の関藤竜也さん。KURADASHIは食品ロス削減への賛同企業から、賞味期限切迫・納品期限切れ(1/3ルール)・季節商品などの廃棄対象商品を購入し、会員に割引価格で販売。その売上の一部を社会貢献団体に寄付しています。すでに800社以上の企業が参加し、会員は10万人を超えています。関藤さんは社会性、環境性、経済性に配慮し持続可能な社会を作っていくことを念頭に運営していると話されました。オンラインでの販売だけでなく、高齢化が進む地方の農家と学生のマッチングや、フードバンク・子ども食堂への提供、台風被害の農作物の買取りと販売など幅広い取り組みを紹介していただきました。

数値化することで評価と課題の発掘に

最後に株式会社セブン&アイ・ホールディングス サステナビリティ推進部担当、京都大学大学院総合生存学館総合学術博士の野村亜矢香さんが京都大学在学中に取り組まれたFAOと京都大学との協働プロジェクトについて紹介しました。食品ロス削減を呼びかけるポスターの掲示などの啓発活動の前と後で京大食堂での食べ残しの変化があるかを計測。もともと食堂では食品ロスを出さない取り組みがなされており、前後で数値の変化はなく利用者の約8割が食べ残していないことがわかりました。しかし1回目の結果を分析、新たな対策を加え、第二弾として各テーブルに三角柱の卓上POPを置いて削減を呼びかけたところ、食べ残さない人が約9割までアップ。食堂側の努力と利用者の心がけで食品ロスが削減できること、数値化により今後の対策が明確になること、他のレストランでも応用できることが報告されました。

スピーカーから参加者へのメッセージ

五十嵐さんは「食品ロスはSDGsのなかでも取り組み易いところ。楽しみながら取り組んで、いろいろな立場の方とつながるきっかけにすれば将来にも役立つ」。関藤さんは「知識があって意識して行動を変えなければ解決できない。社会貢献は明るく楽しくでなければムーブメントにならないので、自分のためのお買い物が人のためになるKURADASHIのサイトを活用してもらえれば」と話されました。野村さんは「消費者は行動変容を心掛け、企業は取り組みを可視化してアピールすることで相互に理解を深めていくことが大切」と話されました。
質疑応答では、「食品ロスを楽しく削減する取り組みが紹介されたが、罰則を与えるという取り組みもまた考えられるのではないか」という質問が出ました。五十嵐さんと関藤さんのおふたりは、「楽しく前向きなほうが効果は上がる。日本で政府が企業に罰則を与えるのは難しい。個人的には楽しくやったほうがいいと思う」と答えました。

最後に横浜市資源循環局政策調整部長の卯都木隆幸は、「特効薬はないかもしれないが、一人ひとりがアクションを起こすことで社会が変わっていく。このイベントがそのきっかけになることを願っている」と締めくくりました。

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