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「世界食料デー」月間2024 10/1-31

「世界食料デー」月間2022 プレイベント 第3回:世界の豆を訪ねて―多様な豆料理と持続可能な農業

vol.63イベントレポート

主催:「世界食料デー」月間2022
日時:2022年9月15日 (木) 19:30〜21:00
場所:Zoomミーティングルーム

10月の「世界食料デー」月間に向けたプレイベント第3弾として、9月15日(木)の19時30分~21時にオンラインイベント「世界の豆を訪ねて–多様な豆料理と持続可能な農業」を開催。べにや長谷川商店の長谷川清美さん、アフリカ日本協議会副代表の津山直子さんにご登壇いただき、77名の方に参加いただきました。

イベント冒頭ではZoomの投票機能を活用し、豆にまつわるアンケートを2つ実施しました。「お正月に黒豆を家で煮て食べますか」という質問には、約半分の人が「はい」と回答。また、「普段乾燥豆を家で調理して食べますか」という質問には、18%の人が「よく食べる」、25%が「ときどき」、47%が「あまり食べない」、10%が「家で乾燥豆を料理したことはない」と回答しました。



世界の豆物語(長谷川清美さんのお話)

世界に取材に出かけるきっかけ

私は北海道の遠軽町で、べにや長谷川商店という豆屋の長女として産まれ育ちました。
私の店が在来の豆を扱っていることもあり、2009年に「べにや長谷川商店の豆料理」(パルコ刊)という本を出し、その3年後に海外編を出版することになりました。ところが、私は海外の豆料理をほとんど知らなかったのです。きちんとリアリティを届けるべく、2011年に世界の豆と豆料理を訪ねる調査に出たのが始まりです。この取材がきっかけとなり、豆の奥行き — 豆料理、在来の豆、人々の暮らしが、私にとって魅力的なテーマになりました。2012年から本格的に毎年取材に行くようになりました。

取材テーマは、世界に残っているその土地の在来の豆と、豆料理の関連性です。種類が豊富だと聞いていたので、原産地を訪ね始めました。特に生産者の中でも小農といわれる、家族農業をして自給自足に近い生活をしているような人たちを取材してきました。大規模農家も調べましたが、輸出品を主に作っていて、在来の豆は扱っていなかったので、小農に取材対象を絞りました。

家庭料理、郷土料理、伝統料理で使われる豆ということで、小農の一般家庭で日常的に食べられている料理や、日本のお正月のように行事で食べられる料理を取材しました。

日本の伝統的な豆の農法

昨年出版した「豆食う人々」(農山漁村文化協会刊)に豆の分類の一覧表を掲載しました。日本を含めた世界で食べられている豆の一覧です。日本では小豆や大豆、エンドウマメ、インゲンマメ、空豆、落花生など限定的ですが、海外には非常にたくさんの豆があり、食べられています。それでも、日本の在来豆は、185点〜200点近くあります。

遠軽町の在来豆農家の伝統的な農法には「島立(しまだて)」があります。小豆が完熟したところで、畑に根を逆さにして乾燥させることで、過熟(過度に熟すこと)を防ぎます。また、根がしっかり乾燥するので豆もしっかりと乾燥します。次に棒を立てて、そこに島立した豆を積んでいく「棒ニオ(ぼうにお)」をします。豆に一番適した乾燥方法ですが、今ではほとんどこの方法を取っている農家はいません。かつては10月から11月に見られた北海道の風景です。

日本の在来豆の一覧表(「豆くう人々」より)

小豆を島立(しまだて)する様子

棒ニオ(ぼうにお)の様子

世界にある伝統的な豆料理と知恵

インドにはグラスピーという豆があります。食べ過ぎるとラチルス病にかかるのですが、若サヤは問題ないので若サヤを調理してスパイスで辛い和物にして食べます。インドの豆料理というと、豆のカレー、ダールがあります。日本でいう味噌汁のようなもので、毎食のように食べます。
豆と同じように世界各地の家庭で見かけたのが、牛糞です。インドのカルカッタ付近では、円盤状に乾燥し、燃料として焚き付けに使います。

また、アルゼンチンではイナゴ豆に白と黒の2種類あり、黒い方を粉にして、パタイというお菓子を作ります。数年前にはイタリアでもイナゴ豆に出会いました。サヤが少し甘いので、おやつに食べるそうです。ちなみに、イナゴ豆の木に赤ちゃんの足を当てると、でべそが治るという言い伝えもあるそうです。

コロンビアのリオハッチャ島では、豆の保存に注目しました。冷蔵設備がない中、木や豆殻を燃やした草木(そうもく)灰と一緒に素焼きの焼き物の中に入れて貯蔵していました。灰は殺菌作用もあり、石けんとしても使われ、北海道では融雪剤の代わりとしても使われます。農家にとっては重要な天然資源として利用されています。

左が若サヤのグラスピー、右がイナゴ豆

円盤状の牛糞を壁に貼り付けて乾燥させる

豆を草木灰と一緒に保存する焼き物

ミャンマーは知る人ぞ知る豆料理の国

アジアの豆料理というとインドや中国、ベトナムを思い浮かべるかもしれません。しかし、知られていませんが、ミャンマーの豆料理にはたくさんのバリエーションがあります。煮るだけではなく、粉にして、揚げる、炒める、発芽した豆を使うなど料理に豆が多く使われます。

先住民のパオ族の人々は米ではなく、たかきびを主食にしています。また、粉にしたひよこ豆をあんかけにして、唐辛子やひよこ豆で作った油揚げと一緒に食べます。その上に辛いソースをかけて、米や麺と一緒に食べます。また発芽させた豆も使います。発芽している豆は調理時間が少なく料理に手間がかからないため、よく使われています。
ひよこ豆は豆腐にもなります。浸水したひよこ豆をすりつぶして、デンプンと水分を分け、デンプンを取り除いたあとに残った水分を練っていくと、黄色い豆腐ができます。ひよこ豆と米粉の麺や、ひよこ豆のせんべいなど多く使われます。

ミャンマーでもう一つ注目すべき食材が、納豆です。日本のようにネバネバしておらず、乾燥していますが、同じバチルス菌からできています。乾燥納豆も大豆から作り、乾燥させて、丸いお団子状態や、せんべいのように伸ばして保存しています。「ペポ」と呼ばれています。これを火であぶって砕いてから、唐辛子、ニンニク、ねぎと炒めて、ご飯の副菜として食べます。納豆を食べる国というと、日本、韓国、中国、ミャンマー、ブータン、ネパールがあります。とても興味深い発酵食の一つです。

また、ミャンマーの家庭で自家用として作っている豆を見せてくださいとお願いすると、ピーナッツ、いんげん、リマ豆、十六ささげ、ムクナ豆(八升豆)など、たくさん出てきました。

ひよこ豆で豆腐を作る

乾燥納豆

ミャンマーの家庭で自家用に栽培されている豆

世界各地に点在する、似ているようで異なる豆

イタリアのウンブリア地方で出会ったのは、ローマ時代から作られているささげ豆です。一つのサヤにいろんな色の豆が入っています。ラオスにも同じように色とりどりの豆があり、ライスビーンと呼ばれています。ただしこれはささげではなく、竹大豆です。

また、ボリビアとペルー国境にあるチチカカ湖周辺には、英語でタルウィ、現地語でチョチョと呼ばれる、白い豆があります。タンパク質豊富で栄養価は高いですが、難点は、アルカイド性でアクが強いため1~2週間水にさらしてから乾燥させなければいけません。すりつぶしてご飯にかけたり、おからのようにして炒めて食べたり、ドリンクにして飲んだりと、先住民の貴重なタンパク源です。しかし、貧民の食べ物として疎まれていて、地元でしか流通していないという現状があります。
ちなみに、タルウィは青い花を咲かせるルピナスの豆ですが、スペインのバルなどで食べられている大きな塩ゆでのタルウィは、ペルーやボリビアで食べられている小さいタルウィとは違う種類で、タンパク質が少なくアクも少ないようです。

世界各地で種のジーンバンクのような取り組みがあります。例えば、キューバには姉妹で種を収集している民間の機関がありましたし、ベネズエラでも種を守るグループがあり、活動していました。

チリの先住民・マプ―チェは、伝統的に豆と丸麦を食べていたそうで、一緒に調理して主食として食べていました。豆とご飯の組み合わせは世界各地にあり、日本だとお赤飯があります。キューバのアロスモロスクリスティアーノスは黒いインゲンとご飯、アゼルバイジャンだとバターがたっぷり入ってブラックアイドビーンというささげ豆とご飯という組み合わせがあります。

豆はコンパニオン・プランツにもなります。エクアドルでは木豆と豆の混植で、木豆は木になる豆で、畑の境界線にも植えられていました。ベナンでも木豆が植えられていました。日本も「畦豆(あぜまめ)」として、稲架(はさ)掛けされた米の隣に大納言が植えられていましたが、今ではとても珍しい光景になってしまいました。

色とりどりのイタリアの豆、ラオスの豆

ヨーロッパのタルウィ、南米のタルウィ

コンパニオン・プランツとしての木豆

おやつやゲームやお酒にもなる、意外な豆の使い方

西アフリカでは、ささげが多く食べられていました。ブルキナファソでは、ささげの粉をフライにした揚げパンのようなスナック“シマ”があります。軽くてふわっとした食感をしています。

ブルキナファソにもスンバラやネテと呼ばれる納豆があります。ミャンマーや日本と同じ菌を使いますが、材料はアフリカイナゴマメという木の実の種です。種を煮て、発酵、乾燥させます。匂いは完全に納豆です。乾燥させたものをすりつぶして、スープにします。アフティ・ダワダワと呼んでおり、白トウモロコシを練った餅にかけて食べるのですが、だしが出ていておいしいです。

エチオピア料理にはテフの粉から作るインジェラというクレープのような主食があり、豆のペーストなどをつけて食べるそうです。また、発芽させたひよこ豆を使ってお酒も作るそうです。

エクアドルにはリマ豆を使ったゲームがありました。独自のサイコロを回して、出た目によって、もらえる豆の量が決まります。最終的にたくさん持っている人が勝ちというゲームでした。

下段左から2枚目:揚げパン“シマ”、
右上:酒の原料になる発芽したひよこ豆

西アフリカの納豆

豆を使ったゲーム

豆&持続可能な農業(津山直子さんのお話)

人種隔離政策が行われていた南アフリカで

南アフリカは1994年までアパルトヘイト体制(人種隔離政策)でした。地図で緑になっている地域が「ホームランド」と呼ばれ、アフリカ人が強制移住させられたところです。それ以外の部分、全土の87%が白人の土地とされました。

当時私は日本ボランティアセンター(JVC)のスタッフとして現地で活動していました。持続可能な農業の活動をしたのは、現在はイースタンケープ州になっているコサ民族が暮らすトランスカイというホームランドでした。1992年にこの地域に行くと、子どもと女性、老人が圧倒的に多かったです。男性は金やプラチナ、ダイヤモンドの鉱山労働者として出稼ぎに行っていたからです。土地を奪われた上に税金を課せられ、労働力が必要な白人が経営する鉱山に出稼ぎに行くしかないという構造でした。そのため、留守を守る女性たちが畑や家畜の世話をしていました。

南アフリカの地図、緑色の部分が旧ホームランド

イースタンケープのコサ民族の人々

コサ民族の村

アパルトヘイトで衰退した伝統的な農法の再興

アパルトヘイト下では白人が経営する大規模な農場を振興し、アフリカ人の農業は衰退しました。そのため、伝統的な農業を見直し、自給自足を進め、さらに農業による収入を増やしていこうという取り組みを行いました。まず15ヵ村の村人を対象に研修を行い、その後、村の中で学び合い、どこまでできているかを確認したり、篤農家からのアドバイスをもらったりしました。Farmer to Famerが農業には効果的です。農民から農民への普及ということですが、他の人が成功している実践が広まっていきます。

例えば、ジャンディさんという農家の場合、3年くらいの間に生産量が上がって、村の人たちにも積極的に教えてくれました。牛糞はアフリカでもよく使われています。肥料にする、燃料にする、家をつくる時の材料にする、床掃除にも使います。また、雨水を有効に使うとか、等高線上に植えて土壌流出を防ぐといった土地利用のデザインも重要です。種も自分たちで採種して保存し、農民同士で交換したりします。また、混作も盛んで、それによって虫がつかないとか、作物同士が助け合う効果、土壌がより豊かになるなど、成長に繋がります。主食のトウモロコシは、豆とかぼちゃと混作します。

伝統的な農業を再興するための活動の核

土をよくして微生物を増やし、食料増産

取り組みは、果樹栽培、液肥、有機肥料、混作、マルチなど多岐にわたる

政府の増産計画で失われる伝統農法

2016年は国連の「国際マメ年」でした。豆は栄養的にも、環境的にも、持続可能性においても重要な作物です。また、2019年から2028年は「家族農業の10年」です。家族農業において世界でさまざまな豆が生産され、地球温暖化の問題が進む中でも見直されています。

コサの人たちの大事な料理に、ングシュ(Samp and Beans)があります。ネルソン マンデラさんの一番の好物がこの料理でした。甘くない白トウモロコシを乾燥させて砕いたものとうずら豆を一緒に煮るもので、塩で味付けします。好みによってカレー粉や玉ねぎを加える人もいます。シンプルだけど素材の味が生き、栄養価の高い料理です。

そのような中で、南アフリカ政府が主食のトウモロコシの増産計画を打ち出しました。これまで伝統的な農法で栽培していたトウモロコシをF1の種と農薬、化学肥料をセットにして提供するというものです。遺伝子組み換え種の場合もあります。1年目は国から援助されますが、2年目からは徐々に有料になり、4年目以降は自己負担額100%になります。このセットは価格も高く、農家の支出が増えたうえに、土地に合わなかったり、降水量不足で収穫できずに、借金を抱えることになった農家も多く出ました。さらに、除草剤を撒くため、かぼちゃや豆を混作できなくなりました。豆は保存も効くことから重要な食料源ですが、お店で購入すると高くて買えない家庭もありました。

昔から人々が行っていた伝統的な農法は、土にも優しく、栄養のバランスの取れたものです。混作であれば、雨が少なくトウモロコシが不作でも、豆やカボチャはよく収穫できるということもあります。南アフリカでも、豆をよく食べますし、豆やカボチャ、サツマイモなどは葉も食べられます。長年の知恵が失われないようにしなければいけません。

トウモロコシを砕いたものと豆を一緒に煮たングシュ

左がF1種子、右が村の伝統的な種子

バナナ、トウモロコシ、豆、果樹が混作されている(ジンバヴエ)

Q&A/対談

津山:長谷川さんから私のプレゼンテーションについて補足や感想はありますか?

長谷川:今までの自分の経験と津山さんのお話を聞いて、改めて貧困や資本主義って何だろうと考えさせられました。私が世界中を旅する中で小農が貧しいという現実はありますが、野菜、家畜、穀物を自給している人は食べ物に困っているとは感じませんでした。でも政府は政策を通して、もっと収量を上げて現金を稼がないとだめだという。現金とか、豊かさという物差しの尺度が異なると思います。政府は彼らの生活の物差しに合うような政策を提示することが必要だと思います。
食べ物に関しても、F1品種や改良作物を栽培するように政府は種子を提供します。ただ、実際は伝統的に作られてきた作物の方が環境に適応する能力が高いんです。なぜこんなことをするのか、と常に疑問に思いますし、援助って難しいなと思います。特に豆や穀物は人々が何十年、何百年も栽培してきた作物ですから、彼らの方がむしろ知恵はあって、そこから学ぶべきものが今の時代だからこそあると思います。


・F1種のトウモロコシはどうなりましたか。

津山:南アフリカはF1だけでなく遺伝子組み換え種もアフリカの中でいち早く導入しました。最初、遺伝子組み換えは白人の大規模農場だけでしたが、政府の援助という名目で農民に向けても導入されています。 NGOや小農の組織は問題点を指摘するために政府に政策提言をしています。ただ、一度F1や遺伝子組み換えにしてしまうと、伝統的な種がなくなってしまったり、土壌が悪化し、元に戻すことは本当に大変です。単年だけ生産量を上げるということは比較的容易です。でも、大事なことは、長期的に見て、食料が安定して収穫できることだと思います。援助する側も、長期的な視点を持つことが大事だと思います。


・発芽させた豆は調理しやすいというお話がありましたがなぜでしょうか。

長谷川:豆は種でもあるので毒を持っています。大豆の場合、タンパク質分解抑制酵素があり、それは加熱によってなくなります。また、ちょっとだけ発芽をすることによってタンパク質分解抑制酵素が発芽に使われ、毒がなくなるうえ、加熱も短時間で済みます。


・豆の摂取が多いアフリカですが、住民の低栄養の状況はどうでしょうか。

長谷川:以前コロンビア、リオハッチャ近郊の栄養士と話す機会がありました。西洋の栄養学が基本になり、野菜、果物、魚などをバランスよくとるよう指導します。これは、先住民のもっている栄養学とは相入れないものです。彼らは一見バリエーションが少ない食生活でも大きな病気もせず、生きながらえてきたわけです。医学の関係もあって寿命は短いかもしれません。ただ、これを低栄養と関係づけるのは、いかがなものかと思っています。その土地や、その先住民の暮らしに則した栄養学を、私たちこそ見習ってから考えるのが良いのではないでしょうか。明らかな未熟児や貧困などはあると思うので、それは論外だと思いますが、健康に生きている人に西洋の物差しを持ち込む必要はないと思います。


・福岡正信さんについてご存じのことがあれば教えてください

津山:南アフリカやジンバブエで有機農業をやっていたり、パーマカルチャーを学んで実践したり、指導している人は福岡正信さんの本をよく読んでいます。「自然農法 わら一本の革命」は自分のバイブルだという言う友人もいます。

長谷川:本当に。みんな読んでいます。


・健康的な生活だけど、寿命が短い理由は?

長谷川:寿命って長ければいいというものではないと思うんです。日本やアメリカ、ヨーロッパなどの場合、長く生かされているように思います。平均寿命が上がることだけが良いことなのかは疑問です。寿命には医療が関係しているようにも思います。アフリカの農村の医療ってどうなんでしょうか?

津山:でも、意外と高齢の90代とかの方もいらっしゃいます。ずっと農作業もして、孫も育てて、孫に用事を言いつけたり、教えたりしながら、家庭の中心になっているおばあちゃんも多いですよ。

長谷川:お年寄りにインタビューしたいとリクエストしたことも関係するかもしれませんが、農家は高齢の人が多いです。だから、寿命が短いのは、出生時や幼い頃に亡くなるってことが関係しているんじゃないかと想像しています。

津山:今の南アフリカの平均寿命は、68歳くらいかと思います。一時期HIV/エイズの関係で若い人が亡くなり、大幅に低下しましたが、最近は治療薬があるので、それを飲み続けることによって生き抜くことができて、寿命もまた上がっています。乳幼児の時期に亡くなってしまうと、平均寿命は下がり、その部分の課題は残っていると思います。

長谷川:アフリカの乳幼児の死亡率は、10年20年前に比べると下がってきていると思います。

津山:そうですね。SDGsの前のMDGs(ミレニアム開発目標)でも、そのあたりが重点課題の一つだったので、さまざまな国で取り組まれてきました。

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