「食」の問題の解決に向けて、みんなでアクションする1ヵ月。
「世界食料デー」月間2024 10/1-31

教育委員会 横浜市教育委員会
森博昭さん

vol.20インタビュー

横浜市教育委員会では、2012年から市内にある約500の小・中学校へ向けて、「世界食料デー」月間のチラシやポスターの配布に協力してくださっています。横浜市教育委員会事務局で国際教育の主任指導主事を務める森博昭さんにお話を伺いました。

お互いを理解するツールとしての英語

横浜市には、国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所を始めとする国際機関の事務所がたくさんあります。また、海外に国籍をもつ生徒が多く、96ヵ国とのつながりがあるそうです。多様な文化をもち、さまざまな言語を話す人々と一緒に暮らしていくために、横浜市では国際理解教育に力を入れているそうです。教育委員会で9年にわたって国際理解教育の推進役を務めてきた森さんですが、以前は中学校で英語の教員をされていました。「海外の映画が好きで、英語を勉強するようになりました。政治とか、経済だけではなく、食、ファッション、ゲームなどを通して世界中のいろいろな人とつながっていけるといいですよね。もちろん、アイデンティティをもつことは重要ですが、お互いの文化を知って、認め合うことも大切。なるべく多くの人が日本という枠を超えて物事を考えられるようになるといい。今までは限られた人が英語を話して、世界で活躍する時代でしたが、これからは誰もが世界に出て行く時代。英語はお互いを理解するためのツールになると思って、子どもたちに教えてきました」。

まずは食の大切さを知ってもらうことから

横浜市内の小学校では1987年から、外国人の講師(IUI=International Understanding Instructor)が各クラスを担当し、母国のことを英語で紹介する国際理解教室を実施しています。アジア出身の先生が一番多いそうですが、他にもヨーロッパやアフリカなど、さまざまな国の先生がいるそうです。担当する学校も毎年変わるため、子どもたちは小学校の6年間で6ヵ国の先生と触れ合うことができます。「国際理解教室では先生の母国と日本との比較をするのですが、そのなかで必ずといっていいほど取り上げられるのが食べ物の話。子どもたちも率直なので、国によっては『えっ、そんなものを食べるの?!』というような発言が飛び出すこともあります。でも、テレビなどを通して間接的に知るのではなく、目の前にいる先生から直接話してもらうので、『どうやって食べるの?』『どうやって作るの?』などと質問をしながら、歩み寄ろうとする気持ちが自然と生まれるようです」。

横浜市では他にも「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト」を開催しています。「国際平和のために今自分ができること」が毎年のテーマで、さまざまな視点から自分の想いを発信してもらうことが目的です。例えば、日本でたくさん食べ物が捨てられていることから視野を広げて、十分に食べられていない国のことを考えるなど、食をテーマにスピーチをする子もいるそうです。「ほとんどの子どもたちにとって、食べられない人たちのことをいきなり考えるのは難しい。まずは食べることの大切さを知ることが第一だと思います。それに気づいたうえで、初めて食べられない人たちのことも想像できるようになるのではないでしょうか」。

食べることが好きで、「国際交流イベントに行くといろいろな国の食べ物を食べるのが楽しみ」とも話してくれた森さん。食という身近なテーマを通して、これからも子どもたちと世界をつなぐ架け橋としての活躍が続きます。

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