「食」の問題の解決に向けて、みんなでアクションする1ヵ月。
「世界食料デー」月間2023 10/1-31

スナップディッシュ株式会社
落井麻紀さん

vol.40インタビュー

〈プロフィール〉
スナップディッシュ株式会社 ファンマーケティング事業部 兼 経営企画室
料理専用SNS「Snapdish」を運営するスナップディッシュ株式会社で、食品飲料メーカー向けファンマーケティング事業のBtoBマーケティングと広報を担当。
2022年3月に大豆ミートメーカーとの協業で「肉の日に大豆ミートプロジェクト」を立ち上げ、事務局を担当。
料理SNS・Snapdish: https://snapdish.jp/

今回は料理写真とレシピ投稿No.1の料理写真共有サービスを提供するスナップディッシュ株式会社にて、代替たんぱく質の大豆ミートを社会へ広める第一人者である落井さんにお話を伺いました。

“新たな選択肢”としての大豆ミートの提案

大豆ミートプロジェクトは、2020年のたんぱく質危機の際、代替たんぱく質という新たな食品の可能性に目を向けたことで始まったようです。 「たんぱく質危機や世界的な人口増加など、食料全体が不足する可能性が問題として上がるようになりました。現在、大豆ミートは一つの新しい食品として注目されています。植物性の代替たんぱく質は健康に良いだけでなく、環境負荷が低く、食料としても生産の計画が立てやすいためです。調査結果によるとSnapdishの利用者は大豆ミートを健康に良いという理由から取り入れ始める方がほとんどですが、他にも長期保存や時短調理に向いているといった実用性や環境問題や食料問題にも貢献できるなど、大豆ミートが持つ多様な価値に気付く機会も提供していきたいと考えています」。 目指しているのは「消費者の食生活に大豆ミートという選択肢を増やし、必要な時に自分のニーズに合った大豆ミート商品を選べるようにすること」だと語ります。世界的な食料問題は、日本にとっても対岸の火事ではありません。本プロジェクトには、毎月29日の「肉の日」をきっかけに大豆ミート商品を普段の食卓の選択肢に入れることを、利用者だけでなく広く社会に提案していきたいという思いが込められています。

課題は代替肉の消費者向け活動の少なさ

「代替肉や大豆ミートに関して、特化している企業・団体がまだ多くはありません。製造・販売を行っているような会社同士での勉強会はあるものの、消費者向けの普及活動は他ではまだあまりないと思っています。第一人者と思っていただけることは有り難いことですが、それが課題でもあると認識しています。大豆ミートにまつわる情報発信や普及活動を行なっている団体は徐々に増えてきていますが、広がりという点ではまだまだこれからなのかなという印象です。もっとプレイヤーが増えて、大豆ミートの食卓普及を盛り上げられるといいですね」。

目指すは“購入経験率100%”

Snapdishでは、スーパーなどで見かけることの多い牛肉、豚肉、鶏肉の他に、第4の選択肢として大豆ミートを入れていくことをゴールとしています。そのための目標としているのが、2030年までに一度は自分で対価を払って大豆ミートを食べたことがあるという“購入経験率”を、100%にすることです。「一度食べてみて、その後普段の食卓に取り入れるかどうかはあくまで個人の価値判断だと思います。その前段階として、大豆ミートという選択肢を選べる状態を全ての方に提供したいと考えています」。

“29日(肉の日)は大豆ミート”が合言葉に

月ごとのキャンペーンの際、“大豆ミートの選択肢が広がっていく実感”を得られると語る落井さん。「Snapdish利用者のあいだで『29日(肉の日)は大豆ミート』という言葉や行動が習慣化している人たちが増えてきているのが実感になっています。同時に利用者のあいだの合言葉として毎月のイベント化してきていることには今後のポテンシャルも感じられます」。

今後の展望:考える機会の拡大

落井さんは、今後はモニター企画からステップアップし、より多くの人に向けた販売企画を行いたいと語っていました。 「現在Snapdish利用者のあいだでは、毎月のモニター企画に当選すると大豆ミート商品を体験できますが、今後さら多くの方に大豆ミートに触れていただけるような仕組みを作っていきたいと思っています。現在はメーカーごとに商品の取り扱い量にばらつきがあり、大豆ミートの商品を買いたくても買いにくい状況があります。 そこで、Snapdishが販売を主導することで、プロジェクトで扱っている商品をどれでも買うことをできるようにすることが目標です」。

文責:阿部(ハンガー・フリー・ワールド フードシステム変革推進チーム学生インターン)

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