vol.21インタビュー
さまざまなNGOでインターン活動を行いながら、社会問題の解決に向けて取り組んでいる武村さん。2015年に行われた「世界食料デー」月間主催のイベントでは、自らの体験を交えて、食料問題の解決に向けてできることを語ってくれました。
目の前の現実を変えるために
教員をめざして、大学では教育学部に進学した武村さん。「自分の目で見たことを伝えられる教師になりたい」と、フィリピンの貧困問題に取り組むサークルに参加します。1年生の時にフィリピンを訪問。この時の経験が武村さんを突き動かします。「いざ現地に入ってみて感じたのは、圧倒的な格差。ゴミ山を訪れた時には、涙が止まりませんでした。その時、それまでの『見たことを伝えたい』という思いが、『現実を変えたい』に変わりました」。 武村さんはサークルの代表として活動を続けながら、ミス・ワールドに応募しました。「街頭で募金活動を行った時、自分の声を届けることの難しさを感じたんです。通りの向こう側にすら声が届かない。現実を変えるために、まずは有名になって、多くの人に伝えられる人になろうと思いました」。 2014年のミス・ワールドでファイナリストにまで選ばれた武村さん。しかしそれだけでは満足しませんでした。「twitterなどのフォロワーや、『すごいね』と言ってくれる友達は増えました。でも、彼らの行動に直接結びつくわけではありません。どうすればいいんだろうと悶々としていた時に、オックスファム・ジャパンの “CHANGE Initiative” に参加しました。インターンも経験したことで「世界食料デー」月間にも関わることができ、NGOや国連機関だけでなく、企業などさまざまな立場から社会課題の解決に参加できることを知りました」。
まずはイベントに足を運ぶことから
2015年に開催した「世界食料デー」月間主催のイベント “WORLD FOOD NIGHT”で、プレゼンターとして話した印象をうかがってみました。「あれからさらに食の問題への興味がわいてきました。おそらく、身近な生活のなかで取り組めることがたくさんあるからだと思います。現在はリディラバというNGOでインターンをしていますが、そこでも食の問題を考えるスタディツアーを企画中です」。 最後に「食料問題に関心はあるけれど何から始めたらよいのかわからない」という同世代の人たちへのアドバイスをお聞きしました。「私の場合、目の前の人から直接話を聴くという経験が大きかったです。情報だけならネットや新聞からも得ることができますが、人から直接話を聴くことで、その人の思いも知ることができます。自分がやりたいことを明確にするヒントになると思うので、まずは、イベントなどに直接足を運ぶことから始めてほしいです」。 常にアクティブに行動しているように見える武村さん。話をうかがっていると、自分が抱いた疑問に対して簡単に答えを出そうとせず、悩みながらも考え続けようとしている姿が強く印象に残りました。