vol.18インタビュー
世界から飢餓を終わらせるために活動する国際協力NGOハンガー・フリー・ワールドの青少年組織ユース・エンディング・ハンガー。昨年の世界食料デーに、ハロウィンをイメージしたサルベージ・パーティ「Halloween Party-余った食材が大変身!もったいないを美味しいに-」を開催した事務局の井上彩花さん、大葉美佳さん、東京グループの波多葵さんにお話を伺いました。
今回のハロウィンイベントはどのような発想から生まれましたか? どのように形にしていったのですか?
井上:ハンガー・フリー・ワールドの職員さんとご飯を食べながら話していたときに、「世界食料デーとハロウィンを掛け合わせて何かやらないの?」と聞かれ、「楽しそう!」と思いました。ちょうど、アジアやアフリカで活動するメンバーとも連携して「何かしたい」と思っていたので、国際的な記念日の世界食料デーだったらいい機会になるかなと思いました。ただ、活動全体を統括する事務局にいたこともあり、今までイベントを企画したことがなくて……。イベントをよく開催している東京グループに話を持ちかけました。
波多:東京グループのメンバーに相談してみたところ、楽しみながら参加してもらえるイベントということで話し合いも盛り上がって。「ハロウィンだったら、参加者に仮装して来てもらったらおもしろいんじゃない?」とか、いろいろなアイデアが出てきました。
大葉:私はユース・エンディング・ハンガーの活動に参加したばかりだったので、正直なところ何が何だかよくわからないまま準備に関わり始めました。イベントのニュースリリースを新聞社やテレビ局に配信したのですが、初めてだったのでとても緊張して。電話をしても「忙しいから……」と冷たくあしらわれることがほとんどでしたが、最終的にはイベントの告知を新聞に掲載してもらうことができて、とてもうれしかったです。
イベントはキャンセル待ちが出るほど大盛況でした。 実際に開催してみてどうでしたか?
波多:イベントの内容がわかりやすくて楽しそうだったのと、国際協力イベントではあまりないような新しい企画だったので、たくさんの人に参加してもらえたのだと思います。
井上:普段のイベントよりもFacebook経由で参加してくれる人が多かったです。タイトルや内容を少し見ただけで「楽しそう!」と思ってくれたのかもしれません。勉強会のような真面目なイベントとは違って友達を誘いやすかったので、知り合いの大学生もたくさん来てくれました。
大葉:当日、楽しそうに参加してくれている人たちを見て、やってよかったと思いました。特に、料理が出てきたときの反応や、発表を一生懸命聞いてくれる表情を見て、うれしかったです。
井上:今回のイベントは、飢餓や食料問題にまったく興味がない人たちに、何か行動を起こしてもらうきっかけにしたいと思っていました。参加してくれた人に、まずは世界の現状について知ってもらえたことが大きかった。私たちが伝えたかったような、食料がたくさん捨てられている一方で食べられない人がたくさんいる、ということもきちんと伝わっていたので、目標は達成できたと思っています。
波多:普段のイベントでは、国際協力にある程度興味がある人に参加してもらって、さらに知識や考えを深めてもらうことがほとんどです。今回のイベントは、「楽しそう!」と、普段なら参加しないような人たちも来てくれました。そういった人たちが、何かしらの問題意識をもって帰ってくれたのもよかったです。
大葉:飢餓や食料問題は深刻でとても重たい話。みんなで楽しく食事をするような場所で話すのは難しいと思います。でも、例えばアルバイト先でたくさん廃棄が出ているとか、外食したときにたくさん食べ残してしまっているとか、日頃私たちが感じているような身近な問題から視野を広げてもらうことで、飢餓や食料問題についても考えてもらう方法があるなと、気づくことができました。
井上:今までイベントを企画したことはありませんでしたが、やってみると意外と形になるものだなと思いました。「こんなイベントをやりたい」と口に出してみたことで、「楽しそう!」と思った人たちがのってきてくれたり、協力してくれたり。
波多:失敗したら次に生かせばいいしね。
今年は日本各地で活動する他のグループや、アジア・アフリカで活動しているメンバーとも、同じテーマや目標を掲げて一緒に取り組めたらと話す3人。アイデアは全国や世界に向けて広がっているようです。